おへその高さの腹囲が男性で85cm以上、女性で90cm以上の人は内臓脂肪症候群かどうかチェックしましょう。
内臓脂肪症候群とはこの腹囲の基準に加えて高脂血症、高血糖、高血圧のうち、2つ以上に該当すると内臓脂肪症候群と診断されます。
主な原因は食べ過ぎと運動不足です。それにより内臓脂肪ができ、必要以上の内臓脂肪ができると代謝の異常が生じることがあります。
症状が進むと血液中のコレステロールや中性脂肪が必要以上に増えるなどし、動脈硬化の原因になります。
食生活と運動で予防・改善ができる場合も多いので早めに生活習慣を見直しましょう!
▼内臓脂肪症候群とは
最近、内臓脂肪と生活習慣病に関する話題をよく聞きます。
肥満、高脂血症、高血糖症(糖尿病)、高血圧などです。
これらが複合した状態を「内臓脂肪症候群」といい、その病気の原因は内臓脂肪型肥満、脂質代謝異常、糖代謝異常、血圧異常などが考えられます。
メタボリック(Metabolic)は「代謝」を意味し、
シンドローム(Syndrome)は「症候群」を意味します。
直訳すると「代謝異常症候群」という意味です。
▼内臓脂肪症候群診断基準
内臓脂肪症候群の診断基準が2005年4月に作られました。
おへその高さの腹囲が男性で85cm以上、女性で90cm以上の場合、
この条件に下の3つの症状のうち2つ以上該当した場合、内臓脂肪症候群と診断されます。
1.中性脂肪150mg/dl以上、HDLコレステロール40mg/dl未満のいずれかまたは両方
2.血圧が上で130mmHg以上、下で85mmHg以上のいずれかまたは両方
3.空腹時血糖が110mg/dl以上
(日本肥満学会、日本糖尿病学会、日本動脈硬化学会など8学会が合同で公表した「内臓脂肪症候群の診断基準」より)
▼内臓脂肪症候群の予防と改善
予防と改善の基本は適正な食事と無理なく続けられる運動です。
★必要以上に食べてませんか?
「まんぷく感を得るため」や「食べないと体に悪いのではないか」と思うことによってバランスの悪く、カロリーの高い食事をすることが習慣になってませんか?
間食に清涼飲料や缶コーヒーを夜食にスナック菓子などを食べてませんか?
これらの習慣があると1日に必要なエネルギー量をオーバーしている上に食物繊維やビタミン・ミネラル・カルシウムなどが不足している可能性があります。
まずは1日に必要なカロリー量を知っておきましょう。
★一日に必要なカロリーを知る
下の表は適正体重1kgあたり一日に必要なエネルギー量の目安です。
デスクワーク中心の人 |
25〜30 kcal |
立ち仕事や外回りが多い人 |
30〜35 kcal |
体をよく動かすお仕事の人 |
35〜40 kcal |
適正体重(kg)の求め方
身長(m)× 身長(m)× 22
例) 身長1.7mの人の場合 1.7×1.7×22=約64 (kg)
■1日の必要なエネルギー量 (kcal)
身長 |
適正体重 |
1日の必要なエネルギー量 (kcal) |
25(kcal/kg) |
30(kcal/kg) |
35(kcal/kg) |
40(kcal/kg) |
1.8m |
約71kg |
1775 |
2130 |
2485 |
2840 |
1.7m |
約64kg |
1600 |
1920 |
2240 |
2560 |
1.6m |
約56kg |
1400 |
1680 |
1960 |
2240 |
1.5m |
約50kg |
1250 |
1500 |
1750 |
2000 |
★食べる量を見直す前に
食事療法で摂取カロリーや栄養素のバランスを考えて食べることはもちろん大切ですが、それ以前に見直した方がよい生活習慣があります。
それはよく噛んで食べることです。
よく噛むことにより食べ物が小さくなり、唾液もよく混ざるので消化吸収がよくなり、また食事時間も長くなるので、満腹中枢が満たされやすくなります。
よく噛むには一口で口に入れる量を少なくしてみると食べ物が口の中でよく動くので噛みやすいです。
▼1日、30分程度の有酸素運動がおすすめです。
有酸素運動することにより中性脂肪が減少します。
激しい運動でなく、軽く汗をかく程度の継続できる運動がよいです。
★どんな運動がよいの?
手軽なのがウォーキング。歩く時間が20分を過ぎると脂質が使われ始めるといわれています。
ウォーキングがよいと分かっていても習慣になるまで続かない人もいるかもしれません。
近所に適当なコースがない場合もあるでしょう。
そんな人は室内でできる運動をしてみてはどうでしょうか。
たとえば体操、ラジオ体操でもよいですしテレビでやってる体操でもよいです。
ラジオ体操ってきちんとすると結構よい運動になります。
▼食事療法・運動療法で改善しない場合
生活習慣を見直し食事療法と運動療法を行っても改善が見られないとき薬物療法を行います。
薬物療法は補助的な療法なので、基本はあくまで食事療法と運動療法です。
薬物療法を始めたからといって食事療法と運動療法がおろそかになっては意味がありません。
薬物療法は医師の指示のもと行いましょう。
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